6月の工業生産3割増、8カ月連続プラス

 
　シンガポール経済開発庁（EDB）が7月26日発表した2021年6月の鉱工業生産指数（19年＝100）は125.9となり、前年同月比で27.5％上昇した。指数の上昇は8カ月連続。前年同月は新型コロナウイルス対策で企業活動が低調だったため、反動で大幅な伸びとなった。季節調整済みの前月比では3.0％低下した。
 
　主力の電子（前年同月比26.2％上昇）は8ヵ月連続でプラス。クラウドサービスや次世代通信「5G」向けの需要拡大で半導体が好調だった。また、世界的に半導体産業の投資が活発化する中、半導体装置の生産増を受けて精密エンジニアリング（22.2％上昇）も大きく伸びた。バイオ医療（42.5％上昇）では医薬品原料の生産が伸びたほか、医療機器の輸出需要増も生産を押し上げた。
 
　一方、多くの分野が2桁上昇となる中で、一般製造（17.4％上昇）に含まれる食品・飲料（1.0％低下）は5ヵ月連続のマイナスだった。輸出が低迷している乳製品の生産が減少した。

（提供：亜州ビジネスASEAN）