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1Qの企業景況感35.9、改善も悲観的な見方続く

 マレーシアの大手格付け会社RAMレーティングスが発表した2021年第1四半期の企業景況感指数は38.7で、前四半期の35.9を上回り、2四半期連続で改善した。ただ楽観と悲観の分岐点である50を依然として大きく下回っている。
 
 調査は中小零細企業を中心とした229社を対象に3月半ばに実施。「景気が悪い」と答えた企業は83%に上り、このうち半数が「第2四半期に業績が落ち込む見通し」と回答した。
 
 また20年10月に首都圏などで発令した活動制限令(MCO)の第2弾(MCO2.0)以降に業績がさらに落ち込んだと答えた企業が60%近くに上った。一方、MCO指定地域内で企業が従うべき標準手順書(SOP)について、「混乱させる内容で事業運営に支障を来たしている」と答えた企業が58%に上り、中でもサービス業の割合が64%と高かった。
 
 中小企業を中心に公的支援を望む声は多いが、政府が21年1月に打ち出した150億リンギ(約4,000億円)規模の支援策「国民および経済保護パッケージ(PERMAI)」の支援対象になったと答えた企業は53%どまり。このうち「PERMAIが役立っている」と答えた企業は13%にとどまった。
 
 RAMは、こうした中で政府が3月に200億リンギ規模の追加支援策「国民および経済を力付けるための戦略プログラム(PEMERKASA)」を打ち出したことを評価した。一方で今回の調査では、企業の83%が「さらなる支援を望む」と回答している。RAMは、新型コロナワクチンの接種が2月に始まり、経済も回復基調になっているものの、依然として不安定な経済状況が続いていると現状を分析している。
 

(提供:亜州ビジネスASEAN