シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP貧困世帯の所得は69%減の月500ドル、慈善団体調査

社会

2021年2月10日

貧困世帯の所得は69%減の月500ドル、慈善団体調査

 シンガポールで低所得者への支援を目的とする慈善団体のビヨンド・ソーシャルサービスに金銭支援を求めた世帯の所得(中央値)は、パンデミック発生前の月1600Sドル(約12万6,000円)から、発生後は同500Sドル(約4万円)に69%減少した。
 
 統計局は8日、昨年の国民世帯所得は9189Sドル(約72万円)だったと発表していたが、統計ではわからない貧困世帯の存在をビヨンドの調査は浮き彫りにした。
 
 ビヨンドに支援を要請した1,000余りの世帯を昨年4月から9月にかけ調査した。このうち80%は賃貸公営住宅の居住者で、世帯収入に占める賃料の割合が2倍以上になり、家計に大きな負担となった。
 
 世帯員1人当たり所得(世帯所得を世帯員数で割ったもの)の中央値は、パンデミック前が425Sドル(約3万3,500円)、パンデミック後が113Sドル(約8,900円)。
 
 ビヨンドは、ウエイトレスとして働く、3人の子を持つシングルマザーと、個人営業の運送業を始めた男性をケーススタディーとして記述した。男性は観光業の不振で収入が50%以上減り、バン購入ローンを返済できずこの車を売却。新たな職を見つけたが、ローン返済負担が残る生活を送っている。
 
 報告書執筆者のステファニー・チョク氏は、「パンデミックは多数の家計を直撃し、特に低所得世帯への打撃が深刻だ」と述べた。

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