英国と自由貿易協定を締結、対英輸出品目の84％の関税撤廃

　シンガポールと英国は10日、自由貿易協定（FTA）を締結した。シンガポールは欧州連合（EU）と交わしているFTAと同等の便益を享受することができる。
 
　両国はデジタル経済協定を交わすための交渉開始でも合意した。またFTAの施行に合わせ投資保護協定の締結に向けた交渉も、施行から2年以内に開始する。
 
　英国はシンガポールにとりモノの貿易で2番目、サービス貿易で3番目の相手国。FTAの署名にはチャン・チュンシン通産相とエリザベス・トラス国際貿易相が当たった。シンガポールから英国への輸出では対象品目の84％で関税が撤廃される。2024年末までには残りの品目の関税も実質的に撤廃される。
 
　非関税障壁の引き下げは、電子、自動車、薬品・医療機器、再生可能エネルギーの4分野で実施する、市場参入、政府調達への参加も容易になる。
 
　EUとのFTAに基づく取り決め同様、英国の企業はEU加盟27カ国、シンガポールの企業は東南アジア諸国連合（ASEAN）で調達した原料、パーツを利用した生産品を相手国に輸出できる。
 
　原産地規則における累積制度で、シンガポールから英国への輸出では、制度に協力するとのASEAN加盟国の同意が必要。
 
　シンガポール・英FTAは両国の批准手続きを経て発効する。