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政治

2020年11月16日

排ガス汚染の少ない自動車の登録税割り戻し、来年から増額

 シンガポール陸運庁(LTA)は11月12日、排気ガスに含まれる大気汚染物質が少ない乗用車の付加登録税の割り戻しを来年1月から22年末まで5,000Sドル(約38万8,000円)増額し、排ガス汚染の大きい乗用車には上乗せ課金を5,000Sドル増やすと発表した。クリーンな乗用車の購入を促すのが狙い。
 
 車両排ガススキーム(VES)で規定している措置で、二酸化炭素のほか、炭化水素、一酸化炭素、二酸化窒素、微粒子も大気汚染物質に含めた。
 
 二酸化炭素排出がキロメートル当たり90グラムかそれ以下の乗用車がA1、同125グラム以下がA2、同160グラム以下がB、185グラム以下がC1、185グラム以上がC2。A1の割り戻し額は2万5,000Sドル(約194万円)、A2は1万5,000Sドル(約116万円)になる。C1の上乗せ額は1万5,000Sドル、C2は2万5,000Sドルになる。上乗せ課金は来年7月1日から施行する。販社に価格調整の余裕を与えるためだ。Bには割り戻しも上乗せもない。
 
VES導入は2018年で、同年第3四半期から今年第1四半期までの間、A1とA2の乗用車販売台数は60%増加し、C1とC2の乗用車は20%減少した。
 
 電気自動車(EV)については別にEV早期購入インセンティブとして付加登録税の45%が割り引かれるため、割り戻し額は最高4万5,000Sドル(約350万円)になる。
 
 LTA発表を受け自動車販社は店頭表示価格を変更した。MAZDA3はA2の車両で、ディーラーのユーロカーズは8万3,888Sドル(約651万円)に5,000Sドル下げた。
 
 排気量の多い高級車の多くは付加登録税が増えるが、20万Sドル(約1,552万円)するBWM 318iを購入しようとする人にとり5,000Sドルの負担増は購入意欲をそぐものとはならないようだ。

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