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老舗百貨店ロビンソンズ、160年の歴史に幕

 老舗百貨店のロビンソンズ・シンガポールが160年の歴史に幕を閉じる。同社は30日、会社を精算すると発表した。残るザ・ヒーレン店とラッフルズ・シティー・ショッピングセンター店は閉店セールを行う。解雇される社員は175人。ロビンソンズはマレーシアの2店も閉鎖する。
 
 豪州移民のフィリップ・ロビンソンと看守だったジェームズ・スパイサーがコマーシャル・スクエア(現ラッフルズ・プレース)に開いた食品店が始まりで、創業時の店名はスパイサー・アンド・ロビンソン。スパイサーが会社を離れ、新たにジョージ・ラッパがパートナーとして加わった1859年、ロビンソン・アンド・カンパニーに社名を変更した。
 
 ロビンソンズは5月にジェムズ店を閉鎖した際、「郊外ショッピングモールの台頭で大型百貨店を複数展開するのが無理なことはパンデミック前から分かっていた。さらにパンデミックが閉鎖を早めた」とした。
 
 近年、売上げは減少傾向をたどり、2014年の2億5,700万Sドル(約197億円)に対し18年は1億5,400万Sドル(約118億円)だった。最終損益は14年に2,650万Sドル(約20億円)の赤字を出して以来、赤字が続いた。