2020年10月23日
転換を迫られるコンサルタント、旧態からの脱却が必要
シンガポールでコンサルティング会社が転換を迫られている。コロナウイルス禍で企業の経営は厳しく、生き残りに精一杯で、これまで同様のコンサルティングサービスには関心を示さないからだ。事業転換、デジタル化を図る企業向けにコンサルティングサービスを提供できるかが一つのカギのようだ。
KPMGでは今年に入りコンサルティング需要が減少した。デロイトでは受注高は前年より最大20%多いが、会合、集まりに対する規制で新たなクライアントとの交流、関係構築が困難になっているという。
オーガニゼーショナル・アナリティクスのラハルソ最高経営責任者によると、あるクライアントに最適と思われるアドバイスをほかの小規模企業にも提供するといった画一的アドバイスしかできないコンサルタントの先行きは厳しいという。
一方で、ウイルス禍で需要が増加したコンサルサービスもある。KPMGでは不確実性に対応できる組織的意思決定能力を培うシナリオプランニング、事業再設計のコンサル需要が増えた。
プライスウォーターハウスクーパースによれば、企業はオンラインでの存在感の強化、技術導入による業務改善、リモート作業に関心を示している。
ラハルソ氏は「コンサルタント業界は常に問題を餌に繁栄してきた。新型ウイルス感染症はまれな問題であり、ソリューションを提供できるコンサルタントにとっては事業拡大の好機だ」と述べた。