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政治

2020年7月7日

高齢者1万人に接触者追跡機器配布、「携行で安心感」

 当局は、コロナウイルス感染者と接触した者を突き止める携帯機器1万個の配布を終えた。今後も配布を続け、シンガポールのほとんどの住民が機器を携行、または接触者追跡アプリ「トレーストゲザー」をダウンロードするよう図る。
 
 配布を受けたのは高齢者で、一人住まいの者、家族の支援があまりない者、身体が弱い者が優先された。
 
 紐でつるすことのできる機器で、82歳のン・チョンフィーさんは「機器がどう機能するか知らないが、感染者の近くにいたことが確認されれば、当局が知らせてくれる。携行することで安心できる」と語った。
 
 ブルートゥース技術を用いた機器で、携行している者の近くに同じ機器、または「トレーストゲザー」アプリをダウンロードしたスマホがあると信号を交換する。この交換記録が機器に記憶され、携行者と近距離にいた者を突き止めることができる。
 
 「シルバー世代オフィス」の職員とボランティアが高齢者宅を戸別訪問し、使い方を教えた。72歳のノエル・カレブさんはハンドバッグに入れて持ち歩いているが、居場所を常に追跡されるのでは、との懸念を抱いている。
 
 当局の説明によれば、機器にインターネット接続機能はなく、ユーザーの位置情報は取得できない。また保存された接触情報は暗号化されているという。
 
 政府は、トレーストゲザー・アプリのダウンロードが210万件と人口の35%にとどまったことから、機器の開発、配布を決めた。ユーザーが人口の4分の3以上にならないとアプリは有効性を持たないからだ。またアップルのアイフォーンは同アプリに不適なことが判明している。

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