規制施行直前にASEANから入国ラッシュ、留学生は帰国へ

　東南アジア諸国連合（ASEAN）からの短期滞在目的の入国を16日深夜から規制すると15日、シンガポール当局が発表したことから、多数のASEAN市民がシンガポールを目指し航空機の座席を予約し、16日は入国ラッシュが発生した。
 
　シンガポールで操縦士になるための訓練を受けているインドネシア人男性の妻、ナディンさんは夫から入国規制の連絡を受けると直ちにジャカルタ国際空港に行き、搭乗券が入手できる最も早い便を予約し、規制施行前にシンガポールに入国した。
 
　マレーシアから航空便で入国したシャロン・テーさんは（68）は数カ月前に入手した搭乗券で入国した。利用したマレーシア航空の便は満席だったという。シャロンさんは「Covid-19は死亡率が低いから怖くない」と語った。
 
　インドネシアのバタム島ではシンガポールに向かうフェリーに乗るため多数の旅客が国際フェリーターミナルに押し寄せた。
 
　留学生や就業体験のため海外にいるシンガポール人学生も帰国の準備を余儀なくされた。教育省が15日、高等教育機関（大学、ポリテクニック、技術教育学院）は7月末まで、学生の海外送り出しを全て取りやめると発表したためだ。
 
　国内感染が16日に確認されたのは17人で、うち11人は外国からの入国者だった。感染者は累計で243人になった。保健省は、海外で感染の恐れがあるため不要不急の海外渡航を控えるよう国民に呼び掛けている。