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政治

2019年11月27日

フェイクニュース禁止法を初めて発動、野党党員に訂正命令

 
虚偽の情報(フェイクニュース)のオンラインでの掲載、流布を禁じた「オンライン虚言・ごまかし禁止法」が10月2日の発効後、初めて発動された。
 
適用を受けたのは進歩シンガポール党(PSP)党員のブラッド・ボウヤー氏。英国生まれの帰化国民。11月13日にフェイスブックの自身のページに投稿した文章が虚言とされ、ヘン・スイーキアット財務相(副首相)が訂正文の書き込みを命じた。
投稿は「国営投資会社のシンガポール政府投資公社(GIC)とテマセク・ホールディングスに対し政府が投資判断に影響を及ぼしている」と示唆する内容だったという。訂正命令に従いボウヤー氏は、投稿の文章は虚言であるとの書き込みを行った。
 
ボウヤー氏はリー・シェンロン首相がGIC会長、首相夫人のホー・チン氏がテマセクの最高経営責任者(CEO)であることを疑問視しており「GICとテマセクは巨額の損失を計上する投資判断を行った。政府には損失に対する説明責任が、資産運用の受託者としてある」と投稿した。GIC、テマセクは外貨準備高を運用している。
 
これに対し政府の事実精査サイト「ファクチュアリー」は「投稿は、政府がテマセク、GICの投資判断をコントロールしていると示唆するもの。両ファンドは政府から独立した立場で市場原理に基づき運営されている」と説明した。
 
その後の投稿でボウヤー氏は「投稿は疑問を呈したものであり、それに対し虚言だと決めつけるのは有効な回答ではない」と政府の対応を批判した。
 
PSPは、ボウヤー氏は個人の資格で投稿したとして党としてのコメントを回避した。

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