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社会
国際

2019年10月11日

再生可能な廃プラ、国内加工はわずかでほとんどは輸出

 
 シンガポール環境庁(NEA)によると、昨年、排出されたプラスチックは約95万トンで、再利用に回されたのは4万700トン。うち国内で再生されたのは7%に相当する2,849トンにとどまり、残りは輸出された。
 
 廃プラをめぐっては中国が輸入削減の方針を打ち出しており、来年末をめどに輸入を禁止する計画だ。このため廃プラ価格が急落しており、シンガポール廃棄物管理・リサイクル協会のメリッサ・タン会長によれば、シンガポールには二重苦だ。
 
 シンガポールは現在、東南アジアおよびインド、豪州、韓国に廃プラを輸出している。しかしこれらの国が廃プラの輸入を禁止する可能性もある。この場合、セマカウ島のごみ埋め立て地へ投棄することになるが、ごみ投棄場が予定より早期に満杯になる恐れが生じるため、タン氏は、処理できない廃プラは焼却し、焼却灰を埋め立て地に投棄する方法をとらざるを得なくなると指摘する。
 
 シンガポールでは、廃プラを高付加価値の商品に再生する研究や、化学的処理で化学品、燃料の原料にする研究が行われており、タン氏は「廃プラから宝を取り出し利用するという、国内循環の実現が、経済的にも環境面からも有力」と述べた。このためにはプラスチックリサイクル業の能力強化が必要だという。

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