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経済
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2019年8月16日

工芸学校卒業生、体験学習履修者は初任給が通常卒業生より上

 
 ポリテクニック(工芸学校)卒業生の初任給は、政府のイニシアチブになる技術向上計画「スキルズ・フューチャー」の体験学習プログラム(ELP)に参加した者の方が、ELPに参加しなかった者より高かった。民間エコノミストが、このほど発表された「シンガポール経済調査」統計から分析した。
 
 エコノミストは、新卒者を▽ELPに参加し、上級課程に進んだ者▽ポリテクニック卒業後、そのまま就職した者▽卒業後、民間教育機関で学位を取得した者--の3つに分け比較した。2015年に導入されたELPは、工芸学校と技術教育学院(ITE)卒業生が対象。参加した学生はフルタイムで就労しつつ、定時制の課程を履修する。
 
 ELP履修者は卒業後ただちに就職した者と比べ、プログラム参加中の賃金が44%、卒業して1カ月後の賃金は41%多かった。この賃金差は徐々に縮まり、ELP履修後19カ月では約10%になり、その後は一定の水準を維持した。工芸学校卒業後、学位を取得した者も賃金は同様に、卒業後ただちに就職した者より高かったが、学位取得に要した期間を考慮する必要があるという。
 
 ELP履修に要した期間は13.1カ月で、民間での学位取得に要した期間は26.1カ月だった。学位取得者は学費が自己負担だが、ELPは雇用主が授業料を負担している。

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