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経済

2019年6月24日

負債を抱えるセムコープ・マリン、親会社が20億ドルの助け舟

 
 国営投資会社テマセク・ホールディングスが出資するコングロマリットのセムコープ・インダストリーズは(SCI)は、子会社のセムコープ・マリン(セムマリン)に期間5年の20億Sドル(約1,583億円)の劣後融資を行う。セムマリンはこのうち15億Sドル(約1,187億円)を借入金の返済に充当する。
 
 融資に使う資金を調達するためSCIは15億Sドルの債券を私募債の形で7月20日に発行する。表面利率は3.55%、償還は5年後で、テマセク・ホールディングスが購入者に名を連ねる。債券引き受けは政府系DBS銀行。
 
 セムマリンは融資のうち5億Sドル(約396億円)を運転資本として活用する。セムマリンはリグ(油井掘削装置)の世界大手。リグ受注の激減で経営が急速に悪化した。直近の2・四半期は黒字を計上したものの、受注は減少を続けている。
 
 同社は6月21日の声明で、油田開発関連業は回復の兆しが見えるものの、急速な回復は期待できず、持続的受注は当分見込めないとの観測を示した。
 
 セムマリンは原油の急落によるリグ受注の急減が始まった14年以前の15年間、継続的に優れた業績を上げ、累積で54億Sドル(約4,274億円)の純利益を上げた。

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