シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPデジタル銀行業、配車サービスのグラブが参入を検討

経済
金融

2019年6月13日

デジタル銀行業、配車サービスのグラブが参入を検討

 
 配車サービスのグラブはデジタル銀行(スマートフォンのアプリだけで営業する銀行)への参入を検討しており、参入準備のためコンサルタントを近く雇用する見通しだ。消息筋の情報としてロイターが伝えた。
 
 シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行に相当)は5月、銀行業と無関係の企業にデジタル銀行免許を交付する可能性を探っていると発表しており、デジタル銀行容認の姿勢を示している。
 
 金融センターでシンガポールのライバルである香港は既にデジタル銀行の免許を交付している。シンガポールの銀行業界はDBS、OCBC、大華銀行(UOB)の3大行の支配が続いてきたが、グラブなどの参入は激震をもたらす可能性がある。
 
 グラブはマレーシア発祥の企業だが、東南アジア業務を強化するためシンガポールに本部を移管しており、シンガポールでは内資並みに遇されている。
 
 グラブなどデジタル銀行への参入を検討している企業は、これまで培ったテクノロジーや顧客データが強みだ。グラブは7年間の営業で人の移動、決済、消費者の行動に関するデータを集積しており、銀行サービスに活用できる。
 
 グラブにはソフトバンクを始め日本企業が複数、出資しており、東南アジアでのクレジット事業のため、グラブは昨年クレディセゾンと提携している。
 
 消息筋によると香港同様、シンガポールのデジタル銀行はまず、貯蓄、個人向け金融、旅行保険を手掛けると考えられる。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPデジタル銀行業、配車サービスのグラブが参入を検討