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シンガポール株価が下落、しかし投資家は様子見の姿勢

 
 米中貿易摩擦で域内株式市場では価格調整が起こっており、シンガポール取引所(SGX)の株価も下落したが、投資家はまだ安値拾いに動いておらず、先行き見通しが明確になるのを待つ姿勢をとっている。
 
 米中摩擦は続いており、域内市場では不安定な株価が引き続き予想される。KGI証券のジョエル・ン調査部長は、トランプ、習両首脳が6月末にG20首脳会議で会うまで、先行き不透明は続く可能性が高いと予想している。ン氏によれば、昨年第4四半期に世界各地の証券市場で株が売られ、今年初から5月初旬まで株価が回復したシナリオの再来を投資家やファンドマネジャーは待ち望んでいる。
 
 DBSグループのストラテジスト、ゴー氏は、シンガポール市場の株価はまだ下がるが、下落幅は10%以内と予想している。HSBCプライベートバンキングのストラテジストは、シンガポールの輸出面の弱さは下半期も続くとした。
 
 現在の株価指数は株価収益率(PER)で見ると、香港のハンセン指数が10.5倍とアジアで最も低い。クアラルンプール総合株価指数は20.2倍と高く、シンガポールのストレーツ・タイムズ指数は12.9倍と低め。DBSのゴー氏によれば、シンガポール株は配当率がアジアで最も高いのが特徴。
 
 クレディ・スイスは東南アジア市場ではインドネシア株を推奨している。同国が米中貿易摩擦の影響をほとんど受けないためだ。