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経済

2019年5月21日

ハイフラックスの淡水化プラント、当局が接収

 
 水道事業を司る公益事業庁(PUB)は水処理大手ハイフラックスが所有するトゥアスプリングの淡水化プラントを接収した。淡水購入契約を5月18日付で破棄しての接収で、ハイフラックスはプラントの運営を継続できないと判断した。
 
 PUBは先月、同プラントの所有権をハイフラックスからPUBに移転すると通告していた。プラント運営に必要な技術を持つ職員には引き続き働いてもらう。
 
 ハイフラックスは10億5,000万Sドル(約804億円)を投じ淡水化プラントと発電所で構成する統合型水・電力プラントを建設し、PUBに飲用水を供給する契約を結んだ。
 
 発電所からの利益を淡水化プラントの運営費に充当する考えだったが、電力自由化で電力料金が下がり、淡水化プラントの赤字も重なり赤字経営に。昨年5月、借入金の組み替えによる延命を模索し、裁判所に再建案策定までの債務返済猶予を請求し認められた。昨年3月末時点の借入金は29億5,000万Sドル(約2,323億円)。
 
 ハイフラックスに救済を申し入れているアラブ首長国連邦の公益事業会社、ユーティコは、トゥアスプリングの運営、債務面の問題解決に向け取り決めを結ぶには時間が必要とし、淡水化プラントの接収を遅らせるようPUBに要請していた。ほかにもハイフラックスへの資金注入を提案している会社があるが、拘束力のある協定の締結には至っていない。

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