シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP寄付者の比率が低下、寄付額は増加

社会

2019年5月17日

寄付者の比率が低下、寄付額は増加

 
 全国ボランティア・慈善センター(NVPC)は5月16日、個人を対象に昨年実施した、寄付・ボランティアに関する隔年調査の結果を発表した。寄付に強い意欲がある、との回答は10人に9人、ボランティア活動に強い意欲がある、との回答は10人に7人で、寄付比率は79%だった。
 
 2008年調査の寄付比率は91%。しかし寄付額は同期間、1人平均300Sドル(約2万4,000円)から661Sドルに増加しており、寄付総額は08年の9億6,000万Sドル(約769億円)に対し昨年は21億1,000万Sドル(約1,689億円)だった。
 
 寄付をする者の割合が低下したのは、家族のための出費、生活費確保などほかに優先すべき事柄があるためと考えられる。
 
 NVPCは15歳かそれ以上の国民、永住者2,100人から回答を得た。何を最も優先するかとの質問に対する回答は多い順に、家族へのコミット、健康、生活費確保、雇用の確保で、社会への貢献は14位だった。NVPCのジェフリー・タン理事は「生活費確保が上位にあることは、経済の先行きが不透明な時、寄付を思いとどまる国民が増えることを示唆している」とコメントした。
 
 ボランティア活動では、かつてボランティア活動をしたことがあるが、この1年間はしていない、と回答した者が増えている。理由は、「期待通りの活動ではなかった」「柔軟性に欠ける」「活動が意義ある影響を与えていないと感じられる」だった。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP寄付者の比率が低下、寄付額は増加