来年までの経済成長率予測を下方修正、ムーディーズ

 
　大手格付会社のムーディーズはこのほど、マレーシアの2019年の国内総生産（GDP）成長率予測を1月発表の4.7％から4.4％に下方修正した。20年の成長率予想も4.5％から4.3％に引き下げた。中国への依存度が高いことから、中国経済の成長鈍化がマイナスに影響するとしている。ザ・スター・オンラインが3日付で伝えた。
 
　同社シンガポール法人の幹部は記者会見で、マレーシアは経済の開放度合いが高く、海外動向の影響を受けやすいと説明。特に中国への依存度が高まっており、中国経済の鈍化が直接的に影響するとしている。ムーディーズは中国の19年のGDP成長率を6.0％と予測。17年の6.8％、18年の6.6％を下回るとみている。
 
　マレーシア中銀も先月末、GDP成長率について悲観的な見通しを示した。政府が19年の成長率予測を4.9％と設定しているのに対し、中銀は4.3〜4.8％にとどまると予測。世界経済の成長鈍化と長引く米中貿易摩擦を背景に世界貿易の拡大ペースが減速し、マレーシアも影響を受けるとみている。
 
（提供：亜州ビジネスASEAN）