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政治

2019年4月3日

フェイクニュース法に懸念、法相が釈明

 
 インターネット上のうそ・情報操作から国・国民を守る法案(フェイクニュース法案)が国会に提出されたが、内外から、表現の自由を阻害する恐れがあるとの懸念が表明された。シャンムガム法相・内相は2日、情報が真実かうそかの判定者に政府がなるとの批判に対し、真実かを最終的に判断するのは裁判所だと説明した。
 
 法案によると、オンライン上の情報について閣僚がうそと判断すれば、その情報の拡散を防ぐための措置を講じることができる。シャンムガム氏は「うそ情報は数時間で一気に拡散する」と述べた。
 
 シャンムガム氏が例として取り上げたのはミャンマーとインドネシアにおける事件で、ミャンマーではイスラム教徒の男2人が仏教徒の女性を暴行したとのうそが拡散し、聞きつけた住民が暴徒化し、死傷者が出る事件に発展した。
 
 法案では、閣僚がうそと断定した情報について、それが掲載されたサイトは訂正文の掲載、うそ情報の削除を求められる。
 
 フェイスブックのアジア公共政策担当ミルナー氏は「コンテンツの削除をわれわれに命令する広範な権限が行政に与えられる」と懸念を表明した。
 
 域内のインターネット関連企業の団体であるアジア・インターネット・コアリションのペイン代表は「表現の自由を危険にさらす、行き過ぎの法案だ」とコメントした。
 
 しかしシャンムガム氏は「意見、批判がすべて法に触れるといった主張は当たらない。自分が何を発言でき、何を発言できないかを政府が決めることになるといった批判も間違いだ」と述べた。

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