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経済

2019年4月2日

ケッペルとセムコープ、リグ不振でほかの部門に軸足

 
 シンガポールを代表するコングリマリットの政府系ケッペル・コーポレーションとセムコープ・インダストリーズがそろって経営の重点を持続可能な都市ソリューションの提供に移している。リグ(油井掘削措置)部門の不振で、安定的収入が長期にわたり見込める分野の強化を迫られたためだ。
 
 2014年の時点で、リグ建造業を抱えるオフショア・海洋部門はケッペル、セムコープとも稼ぎ頭だった。しかし原油価格の急落で油田開発活動が低調になり、リグビジネスは急速に不振に陥り、15年以降、ジャッキアップリグの受注はゼロ。企業としての業績拡大を目指し両社は新ビジネスを模索。両社とも、持続可能な都市化のためのサービス提供に乗り出した。
 
 ケッペルの昨年度決算は約9億Sドル(約736億円)の黒字。内訳はオフショア・海洋が1億Sドル(約82億6,500万円)の赤字、不動産が9億4,000万Sドル(約786億円)の黒字、インフラが1億7,000万Sドル(約139億8,750万円)の黒字。
 
 セムコープは3億4,700万Sドル(約284億円)の黒字で、内訳は、海洋が4,800万Sドル(約39億2,400万円)の赤字、公益が3億Sドル(約245億円)の黒字、都市開発が8,600万Sドルの黒字(約70億円)だった。
 
 ケッペルは通信のモバイルワン(M1)を買収しており、企業対個人(B2C)サービスの提供など既存部門との相乗効果を目指す。セムコープは公益と都市開発を中核業務に据える。

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