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金融

2019年1月29日

疑問の残る監査済み財務諸表、別法人による監査を義務付けへ

シンガポール取引所(SGX)の規制・監督部門、SGXレギュレーションは、上場企業の監査済み財務諸表に正常でない何かがあると判断された場合、別の監査法人による監査を義務付ける方針だ。

 

現行規定では、財務諸表の特定の部分について疑問がある場合、SGXはその点だけを調査する特別監査人の雇用を上場企業に求めることができる。

 

今回提案の内容は、経理上の問題点を特定できないが、何かおかしな、正常でないと思われる点があるとSGXが感じた場合、セカンドオピニオンとして別の監査人の雇用を当該企業に求めることができるというもので、上場規則に含める意向だ。

 

SGXレギュレーションのタン・ブーンジン最高経営責任者が例として挙げたのは農産物商社のノーブルで、3年間にわたり健全経営との財務諸表を監査人が承認してきたが、突如、不正経理が明らかになり、経営難が表面化した。

 

タン氏は「期末決算に対し、徹底した監査を監査人、監査委員会に期待する、というのが提案の主眼だ。情報開示の向上も期待している」と述べた。

 

また上場企業にはシンガポールに拠点を置く監査人の雇用を義務付ける意向だ。外国が主たる業務場所で、外国人監査人を雇っている上場企業の場合、期末決算にはシンガポールを拠点とする監査人の共同署名を義務付ける意向だ。中国系上場企業の不正経理疑惑が背景にある。

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