2018年11月19日
シンガポール閣僚の地域社会訪問、次期選挙までに全選挙区をカバー
政府は閣僚や政務次官の地域社会訪問を増やし、2020年中頃までにすべての選挙区を訪問する。オン・イエクン教育相が、自身の選挙区であるセンバワンで開かれた住宅開発庁の行事で発表した。
これまで、閣僚ら政府の職に就く者の地域社会訪問は月1回程度の頻度で、閣僚1人が訪問するのが常だった。しかし閣僚訪問の調整を委託されたオン・イエクン氏は訪問頻度を週1回程度に増やし、また閣僚が単独ではなく、閣内大臣1人を含む3人が一緒に訪問する方式に変更した。
また国民の本音を吸い上げるため、形式ばらない訪問にしており、住宅団地の床下空間(ボイドデッキ)やエクササイズ場所、コーヒーショップなどを集会場所にしている。若い閣僚と国民との相互理解の促進が目的の1つだという。このため野党が議席を持つ選挙区も訪問する。
リー・シェンロン首相は11月11日に開催の与党・人民行動党の党大会で、次期選挙までの準備期間は2年しかないと党員に奮起を促しており、選挙に備えた地域社会訪問の強化ととらえる向きもある。選挙は21年4月までに実施される。
訪問はショー、との批判もあるが、オン氏は「そうした懐疑は政治に付き物。われわれは住民に語り続け、意見を聞き、行動する。それを継続するのみ」と語った。