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社会

2018年10月15日

課税回避を摘発、シンガポール税務当局が医師・弁護士らの納税申告を精査

内国歳入庁(IRAS)が医師、弁護士、不動産仲介業者ら高額所得者の税務調査に乗り出している。脱税ではないが、課税回避の傾向が見られるからで、これまでに本来納付されるべき1,000万Sドル(約8億1,300万円)の回収に成功したという。課税逃れには医師による法人設立がある。

 

政府は2017査定年度から、個人所得税の最高税率を20%から22%へ引き上げた。法人所得税率は10年に18%から17%へ引き下げている。

 

この結果、課税所得が16万5,000Sドル(約1,340万円)超の場合、個人である方が法人(企業)より納税額が多くなる。課税所得が50万Sドル(約4,060万円)の場合、法人税額の方が2万7,000Sドル(約220万円)少ない。企業はスタートアップを優遇する税制で減税措置も受けられる。

 

IRASの個人所得税部門幹部、アンディー・シア氏によると、こうした状況を背景に高所得の個人事業者に、実体のない法人を設立する動きが見られたため、数年前から高額所得者の所得税申告を細かく調べるようになったという。

 

シア氏は「IRASとして医師がどのような事業形態を選択するかを指図するものではないが、法人設立が実体を伴ったものか、税対策のためかを調べる」と語った。

 

IRASは民間セクターの100人の医師に、税務精査の意向を示した文書を送付しており、自ら課税逃れを申し出た者には罰を軽くする。

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