AsiaX

世銀の「人的資本指標」でシンガポールが1位、日本は3位

世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は10月11日、インドネシア・バリ島で開かれた世界銀行・IMF年次総会で「人的資本指標 (HCI)」を発表した。子どもの健康状態と学習成果の向上が長期的に国民および国家の所得を大幅に改善し得ることを示すとの指標で、1位にシンガポールがランクされた。評価は0.88で、今日、シンガポールで生まれた子どもは18歳になった時、十分な教育を受け良好な健康を維持したとの前提で、潜在生産性の88%を達成できるという。

 

ランキング2位は韓国、3位は日本、4位は香港と東アジアが占めた。5位から10位は、フィンランド、アイルランド、豪州、スウェーデン、オランダ、カナダ。

 

HCIは、人への投資を促すのが狙いの指標。キム総裁は「人の健康、教育への投資はもっと関心を払われるべき。各国が人への投資を増やすことを期待している」と述べた。

 

HCIでは国が人材開発にどう取り組んでいるかを、「学齢期まで生き延びる生存率」「学校教育を受ける期間と成績」、「成人になってからの生存率」、「発育が遅れた子ども(5歳以下)の割合」で判断している。

 

世銀は人的資本を「生涯をかけて培われる知識、技術、健康」と定義。多くの国、特に東アジアにおける20世紀の持続的経済成長と貧困削減の重要な要素だったと説明した。