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社会

2018年7月23日

福建語のシンガポール歌劇団、70年の歴史に幕

福建語の歌劇団シャオ・キー・リンが7月21日、マクファーソンにある寺院でのテント公演をもって70年の歴史に幕を閉じた。

 

座長は7月20日で80歳の誕生日を迎えたシオ・キムキーさん。同日の舞台には200人余りのファンが詰めかけた。

 

舞台での動きは優雅でなめらかだが、シオさんは芝居の被り物を付けるのもやっとで、普段の生活ではヘルパーの介助が必要だ。

 

座主で夫のリュー・コクチョン氏(88)が車いす生活になってから数年は一人座長を務めてきたが、跡を継ぎたいという者は現れず、劇団を閉じるしかないと思い至ったという。

 

所属俳優は台湾人とシンガポール人の18人で、舞台技術者は6人。福建語または潮州語で演じる歌劇団は10余りなった。

 

歌劇は19世紀に中国人移民によりシンガポールにもたらされた。寺院や宗教団体、ホーカーが雇用することが多い。

 

1930年~50年代が最盛期で、シャオ・キー・リン劇団はマレーシアで公演したこともある。幼い時から武術太極拳を習ったシオ・キムキーさんの初舞台は11歳の時。1年に250回の公演をこなしたこともある。すでに消滅した他の劇団同様、歴史のかなたに消えていく運命をたどった。

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