米中貿易戦争は関係悪化に進展も＝シンガポール、リー首相

訪中日程を終えたリー・シェンロン首相は4月12日、同行記者団との会見で米中貿易戦争が与える影響を問われたのに対し、「両国の関係悪化というより深刻な結果を招く可能性があり、シンガポールおよび域内は心の準備が必要」との見解を示した。

リー首相は、「貿易量、関税、貿易の流れの変化、投資計画の取りやめといった数字で表せる影響は想定が可能で、それほど深刻なものにはならない」と述べた。

しかし間接的結果として米中関係が悪化すると、これまで世界が両国の協力に依存してきた多様な領域での両国の協力が困難になり、米中と友好関係を維持したいと思っているアジアの国々にとり、米中双方と同時に友人になるのが極めて困難になるという。リー首相は「より不明確な時代に向かうことは確かだ」と強調した。

リー首相は世界経済フォーラムのアジア版、ボアオ・アジア・フォーラムでの演説、また中国首脳との会談でも、開放性、自由貿易の重要性を強調した。

リー首相はまた、DBS銀行中国進出25周年を記念したDBSアジア・インサイト会議に来賓として参加した。

リー首相は首相後任選びにも言及。次期首相を選ぶだけでなく、首相とともに働く有能なチームを構築することが重要だと述べた。