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社会

2018年4月5日

シンガポール総合病院、頭部裂傷に縫合不要の治療法、頭髪をより合わせ

シンガポール総合病院(SGH)医師のマーカス・オン准教授(48)が開発した頭部裂傷治療法が、アメリカ救急医カレッジの科学誌「救急医療月報」に掲載された。同誌にシンガポール発の論文が掲載されたのは初めて。頭髪並置技術(HAT)との治療名で、世界各地の救急医療の現場で利用され、医学部でも教えられている。

 

SGHで20年ほど前、研修医として働いていた時、金曜と土曜の夜、酒の席での喧嘩が原因で頭部に傷を負った患者を診ることが多かった。治療に際しては傷の周辺を剃り、局所麻酔をかけ傷を縫合するのが一般的だった。しかし頭部の一部がはげの状態になるというマイナス面があった。

 

オン医師はジャングルでの救急医療について書いた軍隊の手引きを読んでいた際、医療器具がない場合の治療法として、傷の両側の髪を結び合わせることで治癒する可能性があるとの事実を知り、1人の患者に試みた。

 

縫合ではなく組織接着剤を使ったが、髪の結び目と乾いた血液は治癒後、切除が必要で、はげの部分が生じた。また接着剤だけを使用した場合、髪が適切な生え方にならなかった。

 

そこでオン医師は傷周辺の髪をより合わせ、崩れないようにする工夫をした。これだと髪の自然な生え方が損なわれないという。

 

オン医師の方法と、縫合による治療方法をそれぞれ100人の患者に行った結果によると、オン医師の手法は縫合の場合より治りが早く、傷も感染しにくかった。

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