シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、背任罪に対する刑罰を厳格化、教会資金乱用に対する判...

社会

2018年2月6日

シンガポール、背任罪に対する刑罰を厳格化、教会資金乱用に対する判決受け

シャンムガム法相兼内相は2月5日の国会審議で、刑法の背任罪に対する刑罰条項を改定する方針を明らかにした。ほかの条項もあわせて改定する。

 

シティー・ハーベスト教会を舞台にした資金乱用事件の判決が、40年間にわたり司法がとってきた立場に反するとの見解から改定に乗り出す。

 

同事件では数百万ドルの教会資金がコン・ヒー創設者ら6人により乱用されたが、1日の判決で控訴院は、背任罪に対し最も重い刑を規定した409章は事件に適用できず、406章が適用されるとの高裁判決を支持した。409章では最高刑を終身刑としているが、406章では7年の禁錮刑が最も重い刑罰だ。

 

シャンムガム氏は「取締役、理事など組織で上の立場にいる者は信託度の高い地位であり、組織の資産の使い道で決定権を持つ。信託に背いた場合、一般従業員より重い刑罰が適用されるべきであり、これが常識的考えだ」と説明した。

 

控訴審が409章を適用できなかったのは法の欠陥であり、このため改定に乗り出すという。

 

判決に対しネット上では、「一部の裁判官はキリスト教徒のため被告に甘い」「裁判官は金持ちを軽い刑で容赦した」などの批判が多数掲載された。

 

シャンムガム氏は「こうしたコメントは侮辱的であってはいけない。判決に同意できないからと、裁判官を攻撃するのは正しくない」と語った。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、背任罪に対する刑罰を厳格化、教会資金乱用に対する判...