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社会

2018年1月18日

シンガポール、通信会社とのトラブル、解決の新たな手法を年内に導入

情報通信開発庁(IMDA)は1月17日、通信会社と加入者との紛争を解決するための代替紛争解決(ADR)手法の導入に向け、ADRの案を公表した。業界関係者、一般市民から意見を募集する。

 

 紛争は、契約内容、請求の間違い、サービスの質、サービス中断に対する補償など多岐にわたっており、IMDAには年2,000件余りの苦情が加入者から寄せられている。

 

 現行制度では、加入者はシンガポール仲裁センターかシンガポール消費者協会(CASE)に苦情を持ち込むことができるが、仲裁センターの場合、少なくとも267Sドル(約22,364円)、CASEの場合35.45Sドル(約2,969円)の費用が加入者に掛かる。また通信会社は仲裁への参加を強制されない。

 

 IMDAは昨年2月に発効した改定通信法、改定IMDA法に基づきADRの案をまとめた。それによると、紛争解決は2段階で、加入者は通信会社に不服があった場合、調停を申請することができる。

 

 調停のための交渉時間は2時間で、合意に達すれば拘束力を持つ。調停が成立しない場合、当事者はIMDAが指名する第3者の裁決に委ねる。加入者が裁決を受け入れれば裁決は拘束力を持つ。加入者が裁決に不服の場合、裁判所に提訴できる。

 

 ADRに際しIMDAは加入者側負担を経費の10%としており、仲裁の場合は最低10Sドル(約837円)、裁決の場合は同50Sドル(約4,188円)の負担になる見通しだ。ADRではIMDAは通信会社に調停への参加を強制でき、従わなかった場合は罰金を科すことができる。

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