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政治

2011年12月1日

研究開発支出の拡大、首相が民間セクターに要請

リー・シェンロン首相は11月29日、科学技術研究庁(A*STAR)創設20周年を記念した書籍の出版式で、民間セクターに研究開発(R&D)の強化を求めた。
R&D支出に占める民間の割合は60%に達しているが、リー首相は「まだR&Dを増やす余地が民間にある」と語った。
R&D重視のきっかけとなったのが、リー首相が通産相だった時、東京でフィリップ・ヨー経済開発庁(EDB)当時長官と夕食をともにした時の話し合いで、ヨー氏は国家科学技術庁(NSTB)の設立を提案。リー氏は、R&Dは国家の発展に不可欠との判断から、ヨー氏の提案に同意したという。
リー首相は「R&Dはナレッジ経済への移行に役立ち、競争相手国より優れた考えをもち、打ち負かし、高賃金の職を国民に提供できるとの確信に基づく判断だった」と語った。
成功例の一つがハードディスクドライブ(HDD)で、1990年代、デスクトップパソコン向けHDDで、世界生産量の半分はシンガポール製だった。
20年前のR&D支出は国内総生産(GDP)比で1%にすぎなかったが、2009年は2.3%(60億Sドル:約3,601億円)に増加した。現在は2.5%。
R&D支出を2015年までに同3.5%に引き上げるのが政府の目標で、民間セクターは政府のリスク負担計画を利用し、R&Dを強化することが望まれるという。
NSTBの前身は科学審議会で、1967年に設立された。分子細胞生物学研究所(IMCB)の創設が87年。91年にNSTBが科学審議会に取って代わり、生命科学の振興を打ち出した。95年に特許法が成立し、シンガポールでの特許申請が可能になった。
バイオ医科学の振興が打ち出されたのが2000年。NSTBは02年にA*STARに改称。03年にバイオ医科学センターとしてバイオポリスが整備され、08年には物理科学と工学を融合させた研究センターのフュージョノポリスが開所した。

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