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経済

2009年1月23日

景気対策に1.2兆円、法人所得税率を引き下げ 社会基盤整備、家計支援も

ターマン・シャンムガラトナム財務相は1月22日、新年度予算案(4月~2010年3月)を国会に提出した。「過去に例のない世界的金融、経済危機」に対処した内容で、初めて過去の政権が蓄積した準備金を取り崩す。迅速に対策を講じる必要から予算策定を例年より前倒しした。法人所得税率を下げる。予算の一部は3月から実行する。
レジリエンス(回復)パッケージとの名称を冠した対策で、歳出規模は205億Sドル(1兆2,200億円)。国民の雇用確保と企業の倒産回避を重視した。また能力、競争力を高めるための措置を講じ、世界経済の回復に備える。
パッケージは、国民の雇用確保、銀行貸し出しの奨励、企業のキャッシュフロー改善、家計支援、将来に備えた社会基盤整備――の5項目を柱に据えた。
1.国民の雇用確保――51億Sドル(約3,000億円)
年金制度の中央積立基金(CPF)に加入している企業従業員に対し、最初の2,500Sドルの賃金に対し12%を現金で給付する。3月から支払いを開始。
技能向上計画を強化し、訓練給付の比率を拡大する。専門職者、管理職、エグゼクティブ、技術者が対象。低所得者向け給付も増額する。
公共セクターの雇用をこの先2年間で1万8,000人増やす。
2.銀行による貸し出し奨励対策――58億Sドル(約3,450億円)
既存の融資支援計画を強化する。新措置では、つなぎ融資計画を導入し、500万Sドル(約3億円)以下の融資に対し政府が貸し倒れリスクの80%を負う。
貿易金融に対する政府のリスク負担を75%へ引き上げる。これらの措置が110億Sドル(約6,540億円)の融資実行につながると政府は期待している。
3.キャッシュフロー、競争力強化対策――26億Sドル(約1,550億円)
商工業不動産税を09年について40%割り戻す。開発が認可された土地の不動産税の支払い延期を最長2年間認める。
09と10課税年度に生じた損失に対し繰り戻し還付を認める。1月21日かそれ以前に得られた、外国を源泉とする所得に対し税を免除。1年間限定で、貨物車、バス、タクシーの道路税を30%割り戻す。ハイヤー以外のタクシーの特別軽油税を免除。
競争力強化では、法人所得税率を10課税年度に17%へ1ポイント引き下げる。09年の所得に適用される。
09年と10年に行った設備投資に対する税控除を強化する。修繕、改装費用の償却措置を10年と11課税年に強化する。研究開発を奨励する基金に追加拠出する。
4.国民の家計支援――26億Sドル(約1,550億円)
09年の課税について、2,000Sドル(約11万9,000円)を上限として所得税の20%を還付する。08年の所得が対象。また、消費税(GST)還付と高齢者ボーナスを倍増する。
自身が所有し居住している住宅について、09年の不動産税を40%割り戻す。ほかに、公営住宅(HDBフラット)居住世帯に対するサービス料割り戻し、HDBフラット賃貸世帯に対する賃料割り戻しを強化。HDBフラットを初めて購入する国民への補助を増額する。
金銭支援など社会的弱者への対策も複数、盛り込んだ。慈善団体など公益法人に対する寄付の税控除を250%に引き上げる。
5.社会基盤整備――44億Sドル(2,620億円)
国民にとり住みやすい、グローバルな都市作りに向け、13億Sドル(約773億円)相当のインフラ整備を09年に前倒し実施する。
持続可能な開発計画に対する先行き5年間の予算として10億Sドル(595億円)を計上する。道路・鉄道網、下水・廃水システム整備、公営住宅団地の改修、教育、保健基盤の改善に充当する。
予算赤字は87億Sドル(5,175億円)で、国内総生産(GDP)比で3.5%になる。基礎的赤字は149億Sドル(約8,860億円)で、同6%。政府準備金からの取り崩しは49億Sドル(約2,915億円)で、基本的に大統領は取り崩しに同意している。

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