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やさしい中医学

2007年4月2日

中医学って何?

健康ブームが起こってから、多くの健康法が注目を浴びる中、漢方、鍼灸といった東洋医学への興味も高まっています。書店へ行くと数多くの東洋医学関係の本を目にしますが、実際「このツボを圧すといい」ということは知っていても、さて「ツボ」とは何だろうという素朴な疑問が出てきます。

 

また、日本人の方々は一般に漢方薬は長期間服用しないといけないという概念にとらわれているようです。

 

中国はもちろん、ここシンガポールでも、中医学というものが華人社会の間では根強くあります。近頃では華人だけでなく他民族の患者も増えてきています。中医学とは東洋医学の別名と思っていただければいいでしょう。但し当地では西医師(一般に言うdoctor)と同様国家試験に合格し登録された中医師によって治療が行われています。

 

さて中医学とはどんな医学なのでしょうか?簡単にご紹介致します。

 

中医学の基礎となるものには、陰陽学、五行学(木火土金水に自然をグループ分けする考え方)、臓腑学(肝、心、脾、肺、腎)、経絡学(ツボとそれをつなぐ道)があります。もちろん西医師同様、中医師も医学の基礎を学んだ上で、中医学特有の学問に入っていきます。中医学の根本を成すのは、人体は自然の一部であり、あらゆる生命体は相互に影響しあい、自然現象の影響を受けながら存在し続けるという考え方です。特に人間は、外界の影響(外因)の他に自らの心理状態(内因)と双方から刺激を受け、それによって病が起こっていくと考えます。その結果身体に現れたおのおのの症状、舌、脈、顔色、体臭などを分析分類し、原因を見つけ出し治療法を決定していきます。例えば胃痛の時、体が熱いのか冷たいのか、喉が渇くか、泄瀉(下痢)かあるいは便秘かによって使う薬や針を刺すツボが変わってきます。つまり中医学は、オーダーメイドの治療法ということです。

 

残念ながら日本にはまだ中医師制度が確立されていません。当地において中医学の知識を深め日本に帰国された時のお役に立てるよう、今後回を追って詳しく説明をしていきたいと思います。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

 

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.095(2007年04月02日発行)」に掲載されたものです。

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