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やさしい中医学

2007年11月5日

臓腑の生理効能と病理現象(4)心臓と小腸

肺&大腸に始まり、脾臓&胃肝臓&胆嚢腎臓&膀胱と順に、生理機能、機能が不調になった時に出やすい症状について、説明してきました。今回は、心臓と小腸です。陰陽学では心臓が陰で小腸が陽、五行学では両者共火に属します。腎臓と膀胱が水に属していたのを、覚えていますか? 心臓の火が熱くなりすぎないように、腎臓の水は消火活動をします。自動車に例えて、心臓がエンジン、腎臓がラジエターだと思っていただければ、分かり易いでしょう。心臓がヒートアップしないように、腎臓が水を行き渡たらせているのです。この関係は五行学の所で説明した「相克」相手に勝つ、相手を抑制することです。逆に心臓は腎臓を温め、水浸たしで冷えきらないようにし、生理機能の調整を保ちます。今までのコラムに、再度目を通していただければ、五臓がいかに深く関係しながら生理機能を整えているのか、西洋医学では理解し難いことも、自然現象に照らし合わせて身体を見ると、解り易いことでしょう。

 

心臓には大きく分けて、2つの機能があります。

 

  1. 血液循環を正常に保ち、栄養を全身に行き渡たらせ、新陳代謝を活発にする。
  2. 精神活動、脳の働きを支配する。(精神、意識、記憶、思考、睡眠)

小腸の機能は3つあります。

 

  1. 胃で消化された飲食物から、栄養を吸収する。
  2. 精(吸収した栄養のこと)を脾臓に送る(脾臓で血液が作られる。したがって脾臓&胃、小腸が悪いと血液の製造に支障が出る)。
  3. 不要な物質を選別し、液体は膀胱へ、固体は大腸へ各々送る。

上記の機能に異常が現れると、下記のような症状が見られます。

 

  1. 動悸、心臓周辺の痛み、胸部の不快感、呼吸困難、眩暈、貧血、吐血、鼻血、あざ、血尿、寝汗、しゃがれ声、喉の渇き、口内炎、手の火照
  2. 不眠、精神衰弱、ヒステリー、痴呆、意識喪失、独り言
  3. 五行学の関係から、舌、顔色、汗に関わる異常
  4. 陰陽の関係から、小腸に影響が及ぶと、頻尿、尿少、尿熱赤(排尿の時熱く感じ、色が濃い)、尿痛、腹張、腹痛、嘔吐、便秘、 軟便、下痢

これで臓腑学の紹介が終了しました。不足な箇所もありますが、どこに異常がでやすいのか、ではどの臓腑を労ってあげたらいいのか、ご自身でチェクしてみて下さい。

 

次回からは経絡学をご紹介します。実際にツボを使って、自分の症状を改善してみましょう。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

 

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.109(2007年11月05日発行)」に掲載されたものです。

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