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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2014年8月8日

ESWL―尿路結石治療の主流

 「まいったよ。夜中に急におなかが痛くなって、救急車で運ばれたら尿路結石だった」。中高年の男性からときどきこんなエピソードを聞きます。一般的に尿路結石は痛くて耐えられないものだとか、激痛に襲われるというイメージがありますが、まったく自覚症状がないのに健康診断の腹部超音波検査で「結石があります」と言われる人が多くなっています。

 尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石がある状態です。日本では、腎臓と尿管に結石がある「上部尿路結石」が90%以上を占めています。その多くはまず腎臓で結石が発生し(腎結石)、それが尿とともに下降して尿管結石や膀胱結石、尿道結石になります。外来でみられる疾患の中では、比較的頻度の高い疾患のひとつで、ここ数十年の間に発生頻度が増加しているといわれています。

 もし尿路結石症と診断を受けても大きな心配はいりません。最近の医療技術の進歩によって、より体に負担の少ない治療法を選択できるようになってきています。

 ESWLとは、Extracorporeal Shock Wave Lithotripsyの略で、体外衝撃波結石破砕術といいます。ESWLは、体外からの衝撃波を体内の結石に集めることで、体に傷をつけずに腎・尿管結石を破砕し、尿とともに排出させる方法です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.263(2014年08月08日発行)」に掲載されたものです。

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