空、特に雲には日本語では様々な名前がある。すぐに思い出せるのは飛行機雲と入道雲ぐらいだが、徒雲、浮雲、笠雲、雲の通路(かよいじ)…とあきれるほど豊富だ。雲だけではなく、雨や雪、風にさえ名前がある。名は体を表しているというような名前もあれば、美しく響く名前もある。ちなみに、「スコール(squall)」が雨を指す言葉ではなく、本来は、つまり英語そのものは疾風や突風を指すことを本書で知った。これからは「篠突く雨」とでも言おうかと思う。
ここに紹介しているのは、読み物としての「本」ではない。分類すると図鑑になるが、様々な空や季節の名前と写真が記載されている。ちょっと高いけど、たまにパラパラと眺めているだけでも非常に面白いので、一家に一冊あっても良いのではないだろうか。もちろん、無くても全然困らないけど。
今日、久しぶりに空を見上げて見たら、昔と変わらない顔をして青く澄んでいた。あどけない空の話である。
角川書店