秘密結社に暗号、聖杯、二転三転する展開、どれも私好み。私にとってダン・ブラウンは本書が初めてだが、ベストセラーになるのも理解できる。
冒頭で、この小説における芸術作品や文書等に関する記述は事実に基づいているとあるが、ニケーア公会議やマグダラのマリア他の記述はどうなのだろうか?
こんなことを言うと敬虔な信者には怒られるかもしれないが、典型的な日本人である私は無宗教であるが故に、キリストの奇跡よりも本書の記述の方が真実に近く感じる。日曜日についての記述も面白い。
というような感じで、時間があればキリスト教について調べてみようかという気にさせられた。ダ・ヴィンチの絵を見に欧州を巡るのも面白そう。「最後の晩餐」だけは死ぬまでに一度は見ておきたいと思う。それよりも、ラングドン・シリーズの第1作目を読み終えるのが先か。
時間的制約により映画は本よりも内容が浅くなってしまうことが多い。映画を見ても見なくても、一度は本書を読んでおいても損はないのではないだろうか。
角川文庫