若き日の藤原新也が、14年間ヨーロッパ・アジアを放浪し、そしてその末に、心の本当に底から出さずにいられなかったのではないかと思う言葉、「世界は、良かった」読んだ瞬間にその言葉の重さを感じずにはいられなかった。
「世界は、良かった」などという言葉はなかなか言えるものじゃない。
本作品は藤原新也の処女作であり、そして最高傑作なのではないかと思う。藤原新也のみずみずしい感性と、それを見事なまでにうたいあげる素晴らしい言葉の数々、そして印度の見えない“何か”が見えてきそうな写真の数々。
1ページ、1ページ読み進める毎に、その世界に引き込まれずにはいられない。
朝日新聞社