最近出会ったそういう本が本書で、しかも著者の他の作品は一切読んだことがない。直木賞作家だが興味がなかった。出会いとはそんなものだろう。
ハイジと走との出会いからこの物語は始まる。個性溢れる10人がおんぼろアパートに揃い、大半は陸上経験すらないというのに箱根駅伝を目指すというのが大筋。マンガみたいと一言で片付けようと思えばできるが、読んでいる間はそんなこと微塵も感じなかった。
かつて短距離を如何に速く走るかということには興味を持ったことがあるが、長距離を走ることは好きではなかった。むしろ嫌いだったと言っても良い。そんな、長距離ランナーだったこともないし、箱根を目指したこともない私でも一気に読み終えた。
日本では正月の風物詩にもなっている箱根駅伝。当地では観戦できないので、代わりに本書を読んでみるのは如何だろうか?
新潮社