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紀伊国屋「おすすめの1冊」

2007年3月5日

『ぐっとくる題名』ブルボン小林

photo-13皆さんの中にはCDやレコードでジャケ買いしたように、書籍をタイトル買いした経験はありませんか?

本書はブルボン小林による本、曲、映画、ゲーム題名に関するエッセイで、「韻とリズム」「濁音と意味不明単語」「アルファベット交じり」「日本語+カタカナの題名」「長い題名」「洒落の題名」等の分類で題名を分析しています。その着眼点・発想の新鮮さ、そしてくだらなさに驚きを感じます。

現在、出版界は『バカの壁』『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』以降、凝ったもしくは捻りを加えた題名をつける傾向にあると言えますが、元々著者言うところのぐっとくる題名は多々あったのだ、そう気付かせてくれる1冊です。目的買いだけではなく、たまにはぐっとくる題名を探して書店内を歩きまわるなんていう楽しみ方はいかがでしょうか?

最後に著者のブルボン小林って何者?と思ったそこのあなた、正体は「猛スピードで母は」で126回芥川賞を受賞した長嶋有。彼のエッセイストとしての名義がこれ。ブルボン名義としてはゲームに関するエッセイ『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』もグッド。80年代に小中学生だったファミコン世代なら「わかるわかる」と楽しめること請け合いです。お試しあれ。

 

中公新書ラクレ

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.093(2007年03月05日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール本店 古矢

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