その著者最後の著作が本書、『国のない男』である。一文、一文読み進める度に、ちょっとひねくれた笑いが出たり、何だろう…と考え込んでみたりするのだが、最後の著作だと思うと、意味が分からなくても、面白くもないアメリカンジョーク?
「あぁ、カート・ヴォネガットだなぁ」と何だか妙に優しい気持ちになってしまう。
最後に本書の中にあった言葉を書きたいと思う。
「変わった旅の提案――神のところに、踊りのレッスンを受けに行ってはどうだろう。」
今頃、ヴォネガットは神のところに踊りのレッスンを受けに行っているかもしれない…。
NHK出版