2008年1月1日
『熱い絹 上・下』松本清張
「或る日、タイのシルク王ジェームズ・ウィルパーがマレーシアのカメロン・ハイランドで忽然と姿を消す。果たして事件に巻き込まれたのか、失踪か…真相を追う内に軽井沢で起きたある殺人事件との関連が見え、謎が謎を呼んでいく…」
年初からあまり難しい本は肩が凝るし、気軽に楽しめる本が良い。そんな方に、上記のアジアンミステリーの古典、松本清張の『熱い絹』をご紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、本書のモチーフになったのはタイシルクで有名なジム・トンプソンです。(バンコク旅行へ行った際に、ジム・トンプソンへ寄って「ちょっとタイシルクでも買おうかしらん」という方も多いのではないでしょうか。)
実際には未だに謎に包まれているシルク王ジム・トンプソンの失踪ですが、それを本書で紐解いてみてはいかがでしょう。かえって本当のジム・トンプソンはどこに消えてしまったのか気になってしまうかもしれませんが…。
講談社
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.113(2008年01月01日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 里見幸一郎