但し、本書は経済活動だけに特化せずに、「今のままが一番良い」という現状維持を選んでしまいがちな人間の側面を見せてくれたりしており、もっと読みやすくなっている。話のタネにもなるので、一読の価値はありかもしれない。
例えば、本書パート3の「集団のなかでの困った判断」では、占いはどうして当たるのか?、人は何故他人には辛く自分には甘いのか?を説明してくれる。
それにしても、あらためて人間の脳には感心する。「見えてはいても、見ていない」ことがあることに本書で改めて実感させられたのは、映画「パルプ・フィクション」のワンシーンだった。
何度も見ており、DVDも持っているのだが、ここで言われるまで気付かなかったのは、正直なところショックである。ただし、認めたくはないので、まだそのシーンをDVDで確認してはいない。
紀伊國屋書店