ある少年が逮捕されるところから、この物語はスタートする。理由は、「十億は誰の手に?」というクイズ番組に出場して、全問正解を成し遂げ、十億ルピーの賞金を勝ち取ってしまったからである。
「貧しい少年が、難解なクイズに回答できるわけがない。何らかの不正を働いたに違いない」これが逮捕された理由である。ただし、少年がクイズに答えられるには、彼の境遇ゆえの理由があった。
13問連続で回答することによって、十億ルピーの賞金を得ることができるこの企画。クイズの問題ごとに章が分かれていて、それぞれ「なぜ答えられたか?」の謎解きが行われる。その種明かしが痛快で、各々散らばっていた謎が、最後に全て回収される場面は驚嘆する。まさしく、一気読み確実である。
ランダムハウス講談社