今回ご紹介するシリーズ13巻目は東南アジアの伝統と発展。
東南アジア史の曙である先史時代、地球の寒冷化の時代(氷河期)、東南アジア郡島部、南シナ海、ジャワ海の大部分の海面は今よりも150mも低く、スンダランドと呼ばれる巨大な陸地となっていた。しかし、気候的には今ほどではないが、熱帯に位置し、かなり温暖であったらしい。きっと豊かな自然が広がっていたのだろう。そして、ピテンカトロプスという原人も発見される等、アフリカと同じく人類の進化の重要な舞台であった。
その後、インドに紀元前6世紀頃から都市国家が形成され、また仏教が広まった。東南アジアにおいても仏教をはじめ、インドの影響を受けていき、中国とインドの国際貿易の中継地としてマレー半島を中心とした東南アジアのインド化が5世紀頃には見られるようになっていく……。
中国の影響、クメール帝国の繁栄、イスラーム国家の形成、大航海時代の到来……東南アジアはその後も東西貿易の中継地として――いわゆる海のシルクロードなどと呼ばれるが――多様な文化を花開かせていくことになる。
太古から変わらずにある豊かな自然、それを背景とした東南アジアの多様な文化は今でも感じることが出来る。その歴史を知ることで更にこの地域に興味を持つ事が出来るかもしれない。
年始めに歴史に想いを馳せてみてはいかが。
中央公論新社/ISBN:9784122052215