筒井康隆の小説そのままに、ユーモア溢れる文章で、日常の様々な「アホなこと」が描写されている。なぜ京都人は「いけず」なのか、なぜあの総理大臣は読み間違いをしたのかといった考察は、鋭い観察眼と表現力に思わず唸ってしまう。
文中の「アホな描写」だけでも、本書は十分に楽しめるのだが、どうしてそんなことが起こるのか、どうすれば自分自身がしないようにすることができるのかということを、実はじっくりと考えさせられる内容である。一見、アホを貶める内容と思いきや、読後には、著者の人間愛を感じる事が出来る。
新潮社/ISBN:9784106103506