この本は内容がかなり細かい。『ビール通のための……』という副題があるが、まさにビール通になるためのデータが満載である。ビールの種類、成分、その製造過程、勿論その背後にある歴史的事柄の数々。親切にもビール小事典なる用語集まで巻末に付いている。正直に言うと、細か過ぎて製造過程の問題点を色々書かれてもさっぱりなのだが、著者のビールに対する愛情が伝わってきて思わず読んでしまう。
蘊蓄を語りながら飲むのは実に野暮な話だと思うが、最近は思わず、「原麦汁濃度がこれは高そうだな……香りづけは何だろう」等と分かった気分で飲みながら楽しんでいる。
筑摩書房/ISBN:9784480426802