瀬戸内に生まれ育った私には津波がどういうものかわからなかった。津波は「高い波」というより、「速い流れ」と考えた方が正しい。本書からの引用だが、停泊していた船が陸に押し寄せ、駐車していた車がミニカーのように流されていく様子を見るまで、ずっと高い波が襲ってくるものだと思っていた。今思えば、漫画か映画の影響だったのだと思う。復興にはまだまだ時間がかかるが、我々は減災社会を築いていく必要がある。本書では具体的な施策が提案されており、そのままそっくり採用できそうなものも多い。定期的に避難訓練に参加したり、後世に語り継いだり、といったことであれば私にも実行可能だと思う。
岩波書店/ISBN:9784004312864