さて、本書は自由報道協会(仮)設立の中心メンバーである上杉隆の著書である。歯に衣を着せない彼が一貫して指摘するのは、ジャーナリズムのあり方。日本の記者クラブ制度を通した政府の情報統制に異議を申し立てる。
私が上杉隆に興味を持ったのは、昨年の11月頃、尖閣諸島ビデオがYouTubeに流出した頃だった。日本の大半のメディアは「誰が動画を流出させたのか?」ばかりを追っていて、国民の目からこの情報を隠すことが重要だったかどうかを議論しないことを疑問に感じていた。そのような中、上杉隆が私と同じような意見を持っていたことを知り、興味を抱くようになった。
日本国外から発せられる情報を得ている方々にとっては、本書に書かれていることは別に目新しくない。主として日本発の情報を得ることが多い人々に読んでほしいと思う。
光文社/ISBN:9784334036140