その伊坂幸太郎は、仙台に住んでいる。昨年の震災の被災地に、幸いにして付き合いが深い友人や知人はいなかったこともあり、最初に彼の安否が気になった。震災から数日後、出版社情報で彼の無事が確認できたことを、知人に教えてもらった。
本書は「仙台学」に寄稿したエッセイをまとめたものだが、震災後に書かれた文章も一緒にまとめられている。これを読むと、昨年のあの震災は人々の生活を変えてしまったのだと、あらためて痛感した。
本書に掲載された短編「ブックモービル」も面白かった。伊坂幸太郎には、今後もこのような、少し考えさせられる点もあるが基本的には楽しい、物語を書き続けて欲しいと願う。
荒蝦夷/ISBN:9784904863183