シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『世界130カ国自転車旅行』中西大輔

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2012年9月17日

『世界130カ国自転車旅行』中西大輔

photo-7 自転車旅行はなんといってもおトクである。そこそこのスピードで移動するから人とふれあうことができるし、距離も稼げる。自動車では通り過ぎてしまいそうな、小さいけれど良い風景も見逃さない。必要なのは時間と体力、少しのお金だけ。ということで学生時代はたびたび出かけていたのだが、仕事を始めてからはそんな余裕もなく、どんなものだったかもあまり思い出さなかった。

 自転車旅行OBとして、ふと手に取った本書。植村直己冒険賞を受賞した著者の、11年、走行距離15万1,849km、地球を2周した旅行記である。世界を股にかけたエピソードは興味深く、とつとつとした正直な語り口は、自分の好きな部類の話ということを抜きにしても魅力的。

 この本に呼び覚まされた冒険心を発揮するためには、悲しいかな次の休みを待たなければいけないが、やっぱりこういう気持ちを持っておくのは大切だよな、と感じいった。

 いつもの生活に、ちょっとした清涼剤としてお勧めの1冊です。

 

文藝春秋/ISBN:9784166607839

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.220(2012年09月17日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 河合

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